2024/07/05 15:07

※ 2019年11月26日の記事です


マッチダンディズムのアート担当その1、勝利(かつとし)です。

「オダノブなんだっけ?」の制作ではアートに関わる部分全般、販促、ネタ出し等々幅広く担当致しました。やったことが多岐にわたるので、少しずつブログにて紹介していければと思います。


イラスト作業の中では、もう一人のアート担当「とん」とタッグを組んで進めて参りました。

今回はそんな、「協力してキャラクターデザインをした話」を出来ればと思います。



キャラクターオダノブ様はこうして生まれた!


「オダノブなんだっけ?」は元々3人(自分を含む)の集まりで、
酒を飲みながら深夜に生み出されたワードゲームでした。

それを皆で形にするにあたって、
「オダノブ様」や「家臣」のキャラクターデザインを考えるわけですが…


実は薄々お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんね、

オダノブ様の元ネタは…「織田信長」なんです…!

薄々気づいてたあなたは偉い!


天下人「織田信長」独特のイメージ像をいかにしてキャラクター化するか…


たくさんコンピュータゲームや漫画などでキャラクター化されている人だけあって、
デザインは出来るだけ、かぶらないようにしなければなりませんでした。

そして、このゲームならではの「オダノブ様像」を表現しなくてはなりません。

「オダノブなんだっけ?」は軽く、誰でも遊べるようなパーティゲームなので、
キャッチーで親しみやすくする必要もありました。


箇条書きにするとこんな感じ

  • なんとなく「織田信長」っぽさがあること
  • なるべくシンプルなデザインであること(描き手都合もあり)
  • いつキレるかわからないコワさを感じること
  • かわいく愛されるキャラであること
  • でも変わってること


まずは「とん」と一緒に紙に描き出していって、
そこから「これいいね!」という具合に方向性を定めていきました。

コレが中々に楽しい作業でね…。思い出してもまたやりたいくらい。
こういう髭にしたいんだ、と言えば「とん」が絵にしてくれる。楽ちん!


キャラデザは面長の顔で、目が点で、表情は口をわざとなくし
「無表情さが逆に怖くていい」という事で、この方向で行くことになりました。


この時点でかなりデザインが確定していますね。

そこから更にオダノブ様らしさを追加するために、「頭に刃物をぶっさしてみよう」といい出してみました。

描いてみると、これが案外良くて即採用になりました。ピタッとハマった感覚です。
もう頭に剣なしのオダノブ様なんて、オダノブ様じゃあない!


この時点では「とん」に描いてもらったラフでもまだ包丁ですね。

チョンマゲらしさも出て、近づくと危険なキャラであることが一目瞭然となりました!

やったー!!

細かなところを後から修正を入れることにはなりますが、
この時点で自分たちの中ではかなりイメージ通りのキャラクターが完成し、ホクホクしたものです。


上記はこんなポーズで清書よろ、といってバババッと描き殴って「とん」に渡したラフ。
外に見せる用に描いてないから、汚すぎてごめんなさい。

この「なんだっけポーズ」はオダノブ様らしさが出ていてお気に入りです。
パッケージをお持ちの方は見比べてみてね!



余談ですが、当時 頭身のもっと低いオダノブ様のデザインも出ていました。

便宜上「チビノブ様」と今でも呼んでいますが、
スタッフ全員、チビノブ様バージョンが気に入ってしまって可愛い可愛いと大好評だったのです。
(下図はチビノブ様のデザインの元となったラフ画)


でも、あえて、涙を飲んで、泣く泣く、やむを得ず、仕方無しに、

ヒョロ長いの方のオダノブ様デザインを選択しました。

何故かって……??

ただ単に、可愛さの強いキャラクターデザインは「オダノブなんだっけ?」にふさわしくなかったからです。
このゲームの場合、オダノブ様はとにかく「理不尽」なのですから。

「ダメだダメだ、やっぱりちょっとキモい頭身の方じゃないと!」という話になり、
今の頭身のオダノブ様となったのです。
(あとで「こんなにプリチーなワシがキモいじゃと!?」と怒られてしまいそう)

それに、もし判定カードで「本能寺」が出ちゃった場合を考えると、チビノブ様だとかわいすぎますからね!



一方、家臣のキャラクターデザインは…

そして「オダノブ様」から無茶振りをされる運命の「家臣」のデザインは、
「どうでもいいよね」ということになりました。


いやちょっとかわいそうすぎました!ちゃんと説明します!


家臣は、実は元ネタは…「明智光秀」でした!!
フフン、これは知らなかったでしょう!?

はじめのうちは「アケチ」というキャラ名がついていたのですよ。
でも誰でもなれる「家臣」だからこそ、無個性を選択し、名無しの家臣となりました。


家臣はまとめるとこんなイメージ。

  • 窓際にいそうなサラリーマン
  • 苦労してそうな面構え
  • ストレスで薄毛
  • 顔でかい
  • 茶色い


ちょっと…いや、オダノブ様に比べるとだいぶ悲壮感のあるイメージになってしまいました。
でも「オダノブなんだっけ?」のゲームデザイン的にはこうならざるを得ないのであります。
ごめんね、家臣。


はじめは家臣も着物を着せようかと思っていたのですが、
「窓際サラリーマン」のイメージで上下スーツとなりました。

この時はまだ帽子が「折烏帽子」のままですが、
後に「とん」によりキャラ属性が強化され帽子が「カラス」へランクアップしました!
きゃわいいカラス付きでおじさんイキイキ!

「帽子だと思っていたらカラスだった」という家臣のうっかりエピソードなんです。


ただ、スーツ+カラスのおじさんだと戦国時代っぽさが出なかったので、
スラックスを袴に変更するお願いをしました。
カラスのデータは自分のところにはなかったのでごめんね!


後に、スタッフがスーツ+袴という家臣のコスプレをすることになるとは、
この時は一切考えてもいなかったなぁ……。(ゲムマ2019秋初出店時の話)


長々と書いてしまいましたが、少しはお楽しみ頂けたでしょうか。
キャラクターデザインの楽しさが少しでも伝わればと思います。
こんな最後まで読んで頂きありがとうございました!!